南部ベトナム語発音の勉強方法

ベトナム生活

ここでは「たかさん」の考える、ベトナム南部、主にホーチミン向け、発音を中心にしたベトナム語の勉強方法をまとめています。

普通の勉強方法ではどう頑張っても伝わらないベトナム語

役に立たない参考書

これまで多くのベトナム語参考書を見てきましたが、どれ一つ南部のベトナム人との会話で役に立ったものはありませんでした

参考書によくある「ベトナム語を日本語のカタカタ表記」にしたところでベトナム人には伝わりません。実例を示します。

rất vui được gặp bạn これは英語のnice to meet youに相当します。カタカナ表記にすると、ラット ヴィ ドゥック ガップ バン となります。

殆どのベトナム人には全く通じません。異様な顔をされるか、英語でwhat?といわれるのがほとんどです。これを理解できるのは日本語を勉強しているベトナム人くらいです。

ベトナム語学校でも会話に関して学ぶことは少ない

ベトナム人による日本人向けのベトナム語学校に行くと文法を中心とした授業が進みます

会話では理解されないベトナム語文法や単語をいくら覚えたところで会話にはなりませんでした。

ベトナム人の先生の多くは、日本人がベトナム語発音ができないことを理解し、あきらめてしまっているのです。

また、先生自身は日本人の発音の間違え方のパターンを知っているため理解できてしまいます

ベトナム人にマンツーマンで教えてもらってもダメらしい

約1500時間ほど独学してベトナムに戻り、ベトナム人の先生には発音も良いと言われた後のことです。

cẩn thận nha(気をつけてね)、とネイティブのベトナム人に話したら伝わりませんでした😣

南部発音中心の勉強方法を模索する

発音を中心にした勉強方法を誰もわかっていない

全ての元凶です。おそらく多くの、自称ベトナム語の達人でさえローカルのネイティブと会話はできないでしょう。

こうなってしまう原因は、経験だけではベトナム語の発音は習得できないからです。しかし、勉強方法がありません。結果、正しく発音しようがないのです。

イメージは歌に近いと思います。声楽という、歴史と実績のある教育法があるため正しい音程を学べます。ところが素人がカラオケに行って歌ってもプロのようには歌えません。

南部発音に至ってはさらに勉強方法がない

南部方言は標準語とされる北部方言とまるで異なります。イメージは関西弁と標準語の違いです。そもそも標準語の音も正しくないので、南部方言が伝わる理由はないのです。

正しいベトナム語南部発音の勉強方法

  • IPAを学習する。
  • Wikipediaのベトナム語辞書で単語を検索する(IPAの南部発音表記がある)
  • WikipediaでそれぞれのIPAの発音を調べ母音、子音の練習をする(正しい音声のサンプルが存在する)

これ以上に優れた方法はないと考えています。では、一つずつ説明します。

IPAとは?

国際音声記号と言います。学生時代に英語の辞書を開くと英単語の隣に妙な記号がありましたね。それです。

なぜそんなものがあるのか? これは、英語は表記と音声が一致しないためです。

これは日本語でも同様です。例えば、「けんこう」と「さんこう」の「ん」は異なる発音です。舌を意識して声に出してみてください。確かにちょっと違うのです。

こうしたことから、国際音声学会という組織が世界中の言語の発音を表記と一致させる活動をしています。

ベトナム語にもIPAがある

ただし、通常の辞書にはありません。唯一それをまとめ、かつ南部方言にも対応しているのがベトナム語のWikitionaryなのです。

実際に調べてみる

では、Wikitionaryで[học]日本語で勉強ですね。この単語を調べてみましょう。

画面の右上に検索欄があり、単語を入力すると関連語も表示されるので便利ですね😊

検索結果の画面には次のようにIPAを元にした[học]の発音が5つ表示されます。

右側にSài Gònとあります。 IPAはローマ字ではないことを注意しなければなりません。

hawkの発音を調べる

まずはh。先ほどの国際音声記号を表示し、hを探します。子音の摩擦音にありました。

hの正式名称は無声声門摩擦音といって、幸いなことに日本語「は」、「ふ」、「へ」の母音を発音しない状態の子音だということがわかります。

次にa非円唇前舌広母音といって、残念ながら日本語には存在しない音です。

この音は、口を大きく開けて舌を少し前に出して発音する「あ」に近い音ですが、日本語の「あ」ではありません。ここで音を聴きながら何度も練習する必要があります。

次にw。有声両唇軟口蓋接近音といって、これも幸いなことに日本語の「わ」の母音を発音しない状態の子音だとわかります。

最後のkですが、この子音も日本語の「か」の子音だとわかります。

全然違う発音をしていたことに気づく

ここまで発音を勉強して発音する[học]はどうでしょうか? 今回は声調を省いていますが、多くの方はこれまで「ほっく」のような発音をしていたことに気づくと思います。

むしろ、「はぅっk」の方が近いですね。

このようにして一つ一つ発音を正しく学習し、さらにベトナム南部の人に聞き取らせて完璧だと言われれば、95%くらいの人には伝わります。

次回からはIPAをベースにもう少しベトナム語の音声を体系的にしていきたいと思います😊

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